木造千手観音坐像
ページID:174868877
更新日:2024年2月19日
清水寺
平成11年登載
観音菩薩は、時機に応じて33の姿に化身するといわれ、千手観音はそのひとつとしてよく知られています。
当寺は、伝承によれば、平安時代の高僧慈覚大師円仁(794~864)が武蔵国平川(現在の皇居平川門付近)に創建、慶長年間(1596~1614)徳川家康の江戸城改修にともない日本橋馬喰町へ移転し、万治元年(1658)現在地に移ったといいます。
清水寺の千手観音坐像は、像高37.7センチメートル。正面・左・右に合わせて42本の腕を具え、さまざまな物を持っています。
面長な顔、ややふくらみのある頬に鎌倉時代の特徴が現れていますが、面相(目・鼻・口など)や着衣の彫り型が、同時代の仏像に比べて固さが見られるため、南北朝時代の制作と思われます。
また、平成8~9年にかけて本像の修理を行った際、胎内より古文書が発見されました。それによりますと、当寺の中興に努めた慶圓という僧侶が、慶長7年(1602)に現世安穏・後生善処を祈って、法華経普門品(観音経)や菊水延命経を唱えた、と記しています。
おそらく、慶長7年にも本像の修理を行い、完成に際して右のような経典を唱え、その旨を記録したものと考えられます。
木造千手観音坐像
胎内に納入されていた古文書
お問い合わせ
生涯学習課文化財担当(生涯学習センター)
電話:03-5246-5828
ファクス:03-5246-5814