木造法然上人立像
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更新日:2024年2月19日
法善寺
平成12年登載
浄土真宗の法善寺には、江戸時代初期の寛文11年(1671)に制作された法然上人立像があります。法然(1133~1212)は、鎌倉時代の名僧で浄土宗の開祖と仰がれていますが、浄土真宗を開いたとされる親鸞(1173~1262)の師であるため、浄土真宗でも篤く敬っています。
本像は、像高73.5センチメートル。老境の法然が、歩き出すさまを表現したものです。像内には、古文書3点と小仏1躰が納められています。古文書のうち、2点は寛文11年7月15日の日付があり、法然上人像の造立に関わった167人の名を記しています(こうした古文書を結縁交名状といいます)。他の1点は、小仏の由来を記したものです。小仏は、像高6.2センチメートル。損傷がはなはだしいのですが、鎌倉~室町時代(中世)制作の阿弥陀如来立像と思われます。
像内の古文書、あるいは本寺に伝わる他の古文書によれば、本像は、寛文11年に聞明山聖徳寺(松が谷二丁目に現存)の行誉という僧侶が中心となり造立しましたが、その後、千住小塚原(現、荒川区南千住付近)栄安寺の什物となり、明治初期に栄安寺が廃寺となったため、同26年法善寺に納められたということです。
本像は、制作年代や伝来が明らかであるだけでなく、像内にはその旨を記した古文書、中世の小仏を納めており、区内でも貴重な遺品のひとつです。
木造法然上人立像
像内納入の結縁交名状
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