木造阿弥陀如来坐像(正寶院)
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更新日:2024年2月19日
正寶院
平成10年登載
正寶院は、天台宗寺門派(園城寺)系の単立寺院で、山号を龍光山といいます。本尊の飛不動に対する信仰が江戸時代より盛んで、現在でも厄除け開運で(特に航空安全の祈願寺として)有名な寺院です。この正寶院の本堂脇壇に、江戸時代前期に作られた木造阿弥陀如来坐像が安置されています。
像は、ヒノキ材を用い寄木造という技法で造られました。高さは、52.0センチメートル。来迎印を結び、右足を上に、結跏趺坐します。
残念ながら、かつて坂本来迎寺(聖衆来迎寺。滋賀県大津市にある寺院)にあったと伝えられているほか、詳しい伝来や作者の名前などは不明ですが、像底部の銘文、
為二親 後藤平兵衛 為秋嶺妙貞菩提 為二親 森絲右衛門
という朱漆銘と、
庚 慶安参年
寅 六月吉日
という墨書銘により、慶安3年(1650)6月に像が制作されたとわかります。
本像は、平安時代後期の定朝様を規範として作られていますが、その構造には江戸時代の特色もよくあらわれ、銘文により制作年代が明らかな阿弥陀如来坐像であり、区内に残るこの期のものとして貴重です。
木造阿弥陀如来坐像正面
像底部
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