木造日蓮上人坐像(宗賢寺)
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更新日:2024年2月19日
宗賢寺
平成6年登載
宗賢寺は、江戸時代初期の創立で、はじめ毘沙門堂として創立されましたが、寛永年間(1624~1644)に、寺号を称するようになりました。現在は、痔のまじない寺として信仰を集めています。
本像は、ヒノキ材で、寄木造。像高40.3センチメートル。僧綱襟(背後の襟が高い法衣)の法衣を着け、左手に経巻、右手に笏を持ち、坐る日蓮像です。表面は胡粉(貝殻の粉末)地の上に鮮やかな彩色で文様が描かれていますが、これは近代になって新たに施されたものです。江戸時代に制作された日蓮像は数多くありますが、時代が経るにしたがって、粗雑な作りのものが増えてきます。その中で本像は、典型的な日蓮像の風貌である端正な顔立ちを保ち、本格的な制作技法を用いた、丁寧な作りで仕上げてあり、江戸時代のものでは優れた作品といえます。
本像には、像底部に墨で記した銘文があり、それには元禄2年(1689)3月13日、宗賢寺の第5世住職日俒が、本像を彫ったとあります。このように、銘文により制作年代・作者が明らかにされた作品は、その作品の情報に加えて、ほかの作品と比較できる点でも貴重です。
木造日蓮上人坐像
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