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東京国立博物館構内出土白楽釉獅子香炉

ページID:535952564

更新日:2024年2月20日

独立行政法人東京国立博物館
平成17年登載

 全体が獅子の形をした楽焼の香炉で、四股を踏ん張り正面を向く向獅子と呼ばれる形です。平成6年、東京国立博物館構内法隆寺宝物館改築工事に伴う発掘調査で出土しました。出土地は、徳川家霊廟につながる場所と推定されます。
 大きさは、胴部の現存長が14.8センチメートル、胴体が中空で背に穴を開けて香炉の身としています。腹の中央には圏線に樂の字の印刻がみられます。頭部が蓋となりますが、小破片のみ遺されています。ちなみに東京国立博物館は、楽家二代常慶の作品と伝来される白釉楽焼獅子香炉を所蔵していますが、本香炉と同じ大きさ、形態で完存しています。東京国立博物館所蔵品から判断すると頭部は口を開け、顎下から首後ろに飾り毛を巡らすと思われます。また腹部の樂銘は字形も同一であることから、本香炉も常慶の作品と考えることができます。
 常慶は17世紀前半頃活躍した人物で、楽家伝来の楽焼系図によると、初代長次郎と同時期に作陶していた田中宗慶の子であったようです。常慶は赤楽、黒楽が主体の楽焼にはじめて白釉を採用した人物で、白釉を常慶の香炉釉とも呼んでいます。また、常慶作の香炉には二代秀忠の墓に副葬された白釉阿古陀形香炉があり、常慶と将軍家とのつながりが想像されます。
 本香炉は、江戸時代前期、楽家二代常慶の作品と考えられる優品です。また寛永寺との関係や将軍家との関わりが推定でき、上野公園さらに台東区の江戸時代を考える上においても貴重な資料です。


白楽釉獅子香炉

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生涯学習課文化財担当(生涯学習センター)

電話:03-5246-5828

ファクス:03-5246-5814

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