南元町遺跡出土旧浅草発電所関係資料
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更新日:2024年2月20日
台東区教育委員会
平成20年登載
南元町遺跡は区の南東側、隅田川の西岸に位置しています。遺跡の周辺は元和6年(1620)、幕府によって蔵屋敷が創設される時に、河川敷が埋め立てられ舟入場となりました。明治になって土地は国有化されましたが、後に分割されて調査地を含む北側は東京電燈株式会社(東京電力株式会社の前身)の所有となり、明治29年(1896)に浅草発電所が完成しました。
平成17年、集合住宅建築に伴う発掘調査により大規模な煉瓦遺構が発見されています。地中に埋没していた遺構の構築物として耐火煉瓦と赤煉瓦が併用されています。耐火煉瓦は被熱されているものが多く、普通煉瓦とアーチ部分に使用されるセリ形があり、刻印から日本製とイギリス製のものがみられ、国産も福島・岡山など各地の製品が確認されます。赤煉瓦は通常の煉瓦であり、明治20年以降に普及した機械成型の煉瓦です。
また、電気設備の器具として陶磁器製・鉄製の碍子、碍管、配電盤などが出土し、碍子の表示から生産会社がわかります。
なお、蔵屋敷に関連する遺構として近世の石組溝等も発見されています。
旧浅草発電所は旧江戸幕府蔵屋敷地に、東京電燈株式会社によって明治29年に完成し、大正14年(1925)に廃止された火力発電所です。電力需要の増大(区内では浅草凌雲閣などで使用)により、交流方式の集中型として建設されたものとして日本初期の発電所です。また、現在使用されている東日本の50ヘルツの起源となった発電所でした。日本の近代化にとってきわめて重要な施設であるとともに、台東区の近代化を考える上においても貴重な資料です。
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