菊屋橋二丁目遺跡出土黒楽茶碗
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更新日:2024年2月19日
台東区教育委員会
平成14年登載、令和2年指定
本黒楽茶碗は平成3年6月に出土したもので、当地は江戸時代切絵図等から「寺町」を形成した寺院密集地の一画と推定されます。
法量は口径約11.5センチメートル、底径約12.0センチメートル、高台径約5.0センチメートル、器高約7.0センチメートル、高台高約0.5センチメートルです。
本茶碗は、半筒形で手捏ね製の軟質陶器です。全体は歪みが少なく、底面を、らせん状に突出させた兜巾高台となっています。高台内を含めた全体に漆黒の黒釉を総掛けにしており、わずかに赤みが混じっています。胎土はやや粗く白色です。刻印等はありません。
本黒楽茶碗は赤く「漆継」で補修されていることから、大切に使用されたものと思われ、大振りの作りであることや、釉調等から「楽焼」のなかでも古手の製品と推測されます。
台東区内においては、東京国立博物館構内出土で17世紀前半製作の常慶作白楽釉獅子香炉や、池之端七軒町遺跡出土の黒楽茶碗等と並ぶ、希少な出土資料として重要であり、保存状態が良好であることも貴重です。
黒楽茶碗
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