浅草寺遺跡影向堂地点出土中世資料 一括
ページID:534027236
更新日:2024年2月19日
台東区教育委員会
平成31年登載
本出土中世資料は、浅草寺遺跡淡島堂及び境内西側工事地の影向堂建設工事に伴い、平成5年(1993)調査で出土したものです。
瓦類(軒平・軒丸・平・丸瓦等)、陶磁器類(渥美産壺・常滑系片口鉢・中国産青磁碗・土師質皿等)、板碑などです。
瓦類は軒平瓦5点・軒丸瓦2点を含み、平・丸瓦が多量にあります。軒平瓦の文様は主に連珠文で唐草文系もあり、軒丸瓦は巴文系です。丸瓦には凸面に刻字で紀年銘「□年壬午(八)月□」が記されるものがあります。渥美産壺内には火葬骨が納められ、その上に片口鉢が蓋として掛り、埋葬の蔵骨器として使用したものです。渥美産壺等の状態は良好です。
連珠文瓦の年代は13世紀頃で、大半の平・丸瓦の年代も鎌倉時代前半です。渥美産壺は12世紀後半頃、常滑系片口鉢は14世紀頃、土師質皿は14世紀頃です。板碑には「永正14年」(1517)の紀年銘があり、出土した板碑の大半は、中世後期と推測されます。
今のところ浅草寺の軒瓦としては最古の資料が含まれており、周辺地域を見ても、希少な中世瓦が使用された例としても貴重です。また、火葬骨の埋葬用の蔵骨器は、高級な渥美産壺を使用していることから、浅草寺に関わる有力者を埋葬したものと推測され、歴史を考える資料として重要です。
渥美産壺
お問い合わせ
生涯学習課文化財担当(生涯学習センター)
電話:03-5246-5828
ファクス:03-5246-5814