上野忍岡遺跡群国会図書館支部上野図書館地点出土近代建築資料 一括
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更新日:2024年2月20日
台東区教育委員会
平成29年登載
本資料は、平成10年、13年に台東区文化財調査会が実施した、旧国会図書館支部上野図書館改築工事に伴う発掘調査で出土したものです。出土地点は地形的には上野台の中央、根津谷に向かう小支谷に面して立地しています。
本調査では、近代期の図書館施設が顕著に調査されています。そのほかに近世~縄文も発見されており、近世期では地下室等、中世期では埋葬人骨を出土している地下式坑や大型井戸跡等が検出されています。
本調査地は、明治時代以降図書館施設として利用され、明治後期から帝国図書館、戦後は国会図書館支部上野図書館となり、平成12年に国立子ども国際図書館と名称変更しており、本調査はその時の改修に伴う発掘調査です。
出土品では近代期としては、主に本館・閲覧室及び事務室の基礎・上水施設に使用されている赤煉瓦・白釉耐火煉瓦や鉄製水道管などです。本館関係では、「桜マーク」「上敷免製」刻印の赤煉瓦や白釉耐火煉瓦、閲覧室関係では「輪違い」印、その他の赤煉瓦及び白釉耐火煉瓦や円筒形煉瓦製遺物などです。赤煉瓦には一部墨書も見られます。桜マークは葛飾区小菅集治監製、上敷免製は深谷市日本煉瓦製造会社、輪違いは葛飾区金町製瓦会社、耐火煉瓦は本所の鳥居製陶所製と推定され、耐火煉瓦の製造場所は橋場と想定されます。また鉄管は印刻から東京市専用に明治33年(1900)にベルギーで製造されています。
本館は明治39年に完成し現存しており、小菅製赤煉瓦や耐火煉瓦は完成時の使用と想定されます。閲覧室は大正2年(1913)に完成し、同10年に増築され、昭和52年(1977)に解体されており、金町製赤煉瓦は当初からの使用です。日本の国家的な図書館の資料として貴重です。
図書館煉瓦1
図書館煉瓦2
煉瓦の刻印1
煉瓦の刻印2
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