上野忍岡遺跡群出土旧石器時代資料
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更新日:2024年2月20日
台東区教育委員会
平成26年指定
本資料は平成25年台東区有形文化財[考古資料]に登載した、上野忍岡遺跡群上野桜木一丁目10番地点出土資料一括の一部です。
本資料は、平成12年に実施した、上野台での発掘調査により出土した旧石器時代の生活関係の資料で、石器類64点(ナイフ形石器3点・角錐状石器1点・削器状石器1点の製品や、石器製作の一部であり、石器としても使用される石核・剥片・砕片)及び礫群礫(火の使用など生活の場である礫群の使用材)です。石器類及び礫群礫ともに、ほぼ完存です。
石材としては、製品はすべて黒曜石ですが、石核・剥片・砕片の石材では黒曜石のほか、安山岩・チャート・凝灰岩などもあります。黒曜石は主体が箱根産と推定され、他は信州産などです。礫では、砂岩、チャート、流紋岩、石英斑岩、頁岩、ホルンフェルスの他、安山岩なども見られます。これらの石材は、上野台の基盤層のものですが、太古利根川により関東北部から運ばれたものと想定されます。
本資料は、台東区内では調査例が少ない旧石器時代の資料である上、石器の多さ、あるいは礫群が明瞭に検出されている点で重要です。石器などの遺存状態も極めて良好であり、貴重なものです。また礫群礫の供給から上野台の形成も想定され、興味深いものです。
旧石器類(上段左から3点ナイフ型、角錐状、削器状、下段は石核)
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