下谷地区板碑群(追加)
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更新日:2024年2月29日
金嶺寺
平成16年登載
下谷地区に現存する板碑13基は、すでに下谷地区板碑群として平成3年に区民文化財台帳に登載されています。今回、新たに確認された板碑5基が追加登載されました。
板碑は中世に造立された石製の卒塔婆です。死者の追善供養、あるいは逆修(生前に自らの死後を祈念すること)供養のために立てられました。関東地方の板碑は、秩父で産出する緑泥片岩という青みがかった石を素材とすることが特徴で、特に武蔵型板碑と呼ばれています。中央には主尊が種子(梵字で表した仏)や題目・名号、あるいは仏の図像が刻まれ、その下に紀年銘や人名が刻まれています。
金嶺寺に所在する板碑には至徳・応安・明応の年号がみえ、南北朝時代から戦国時代にかけて造立されたものです。主尊は阿弥陀如来を表す種子(キリーク)が多い中で、金剛界大日如来(バン)や題目(南無妙法蓮華経)が見られるなど、バリエーションに富んでいます。とくに題目板碑は、区内ではじめて確認されました。
谷中地域は古くから人々の生活が営まれてきた場所ですが、近世以降の開発で中世の痕跡はほとんどみられません。その中で、板碑はその土地に根付いた民衆信仰の一端を知る上で貴重な資料です。
下谷地区板碑群
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