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網野宥俊採集の浅草寺旧本堂跡出土資料

ページID:983016254

更新日:2024年2月27日

浅草寺
平成31年登載

 網野宥俊あみのゆうしゅん氏(1901~1983)は浅草寺一山の住職を務めるかたわら、浅草寺や郷土の研究に関心を向け、浅草寺に関する研究をライフワークとして多くの成果を世に出しました。網野氏は、昭和20年の空襲で浅草寺本堂とその周囲が焼失し、その焼け跡からさまざまな遺物が出土することに注目し、遺物採集を重ねることで、浅草寺における考古学調査の端緒を開きました。
 本資料は、網野氏が浅草寺境内から得た考古遺物で、瓦(古代・中世・近世)、土器、陶器、金属製品(銭貨・鉄釘等)、木質遺物、石製品など、計178点です。なかでも、本堂再建工事(昭和26年)に際して旧本堂の直下から出土した資料は、廃土からの表面採集資料であるものの、質・量ともに優れており、本資料の中心を占めています。とくに仏鉢ぶつばち長頸壺ちょうけいこなど仏具と推定される遺物や、多数の「灯明皿」などの特徴的な遺物が含まれており、当寺の歴史を考える上で貴重な情報を提供しています。さらに、多様な出土瓦の分析から創建年代に迫る試みもなされています。
 本資料は、戦後、網野宥俊氏が自身の関心によって、境内各所から採集してきた考古遺物です。なかでも昭和20年の空襲で全焼した本堂の再建工事時に採集された遺物には、仏具や皇朝銭等も含まれており、質・量ともに優れたものです。従来、浅草寺や浅草地域の古代・中世を語る根拠となる史料は、『浅草寺縁起』など限られたものでした。そうした中で、網野宥俊採集の浅草寺旧本堂跡出土資料は、新たな資料を提供するだけでなく、考古学のもつ可能性を示しました。
 本資料は浅草寺や浅草地域の歴史を考える上で重要な資料であるばかりでなく、台東区における地域史研究の進展を考える上でも貴重です。 


旧本堂跡出土資料の一部

お問い合わせ

生涯学習課文化財担当(生涯学習センター)

電話:03-5246-5828

ファクス:03-5246-5814

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