三社船祭礼再興碑
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更新日:2024年2月27日
浅草寺
平成20年登載
三社祭は、浅草寺の本尊である観音像を宮戸川(隅田川)から拾いあげた漁師、檜前浜成・竹成兄弟と観音像をまつった土師中知(土師真中知など他の名も伝えられる)の三人を祭神とする浅草神社(三社権現)の祭礼です。その始まりは、鎌倉時代までさかのぼるといわれ、浅草寺縁起では正和元年(1312)に阿弥陀如来からの託宣があったことによると伝えています。
明治時代以前、祭礼は内祭礼と本祭礼が隔年で行われ、本祭礼において執行される船祭礼(船渡御)の引船役は大森村(大田区大森)の漁師が勤めていましたが、明和6年(1769)に経済的な困窮を理由に引船役を辞退し、船祭礼が一時中断しました。船祭礼の再興を期した札差の飯山長三郎と両替商の斎藤伝兵衛は、百十五両もの出資を行い、同8年の船祭礼は無事に執行することができました。
本碑は、多額の出資を行って船祭礼の再興を実現し、さらに船祭礼を永続させる基礎を作ろうとした飯山・斎藤両者の趣旨と功績を記すため、明和8年(1771)に造立されました。
三社祭は、台東区を代表する祭礼です。たびたび中断があり祭礼の形態を変えつつも、現在まで継承されてきています。本碑は、こうした祭礼の復興に尽力した人々の証であり、かつての祭礼の姿を今に伝える資料のひとつです。同時に札差や両替商の活動を知る資料としても貴重です。
三社船祭礼再興碑
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