西蔵院棟札
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更新日:2024年2月27日
西蔵院
平成28年登載
西蔵院は、円明山宝福寺と号する、真言宗智山派に属する寺院です。その創建は詳らかではありませんが、天正19年(1591)の『上野郷水帳』に寺号が見えたとあります(『新編武蔵風土記稿』)。また、過去帳や位牌には近世初頭の年号が散見できることから、少なくとも16世紀後半には当所に寺地を構えていたと考えられます。
西蔵院には、江戸時代から近代にかけての棟札6点が伝来します。
(1)延享2年(1745)銘本堂修復棟札〔高93.9センチメートル〕
(2)文政3年(1820)銘本堂修復棟札〔高64.4センチメートル〕
(3)天保12年(1841)銘本堂修復棟札〔高63.7センチメートル〕
(4)明治元年(1868)銘本堂修復棟札〔高76.0センチメートル〕
(5)明治40年(1907)銘本堂内陣位牌堂造立棟札〔高45.7センチメートル〕
(6)大正15年(1926)銘本堂庫裏表門修復棟札〔高74.3センチメートル〕
これらは本堂などの境内の諸堂宇、関連施設の修営に際して作成されたものです。
棟札(1)~(4)、(6)は本堂の再建工事の折に旧本堂の天井裏から、(5)は位牌堂から発見されました。
旧本堂は、向拝正面の虹梁(水引虹梁)上に据えられた木造伝・金剛力士坐像の背面に「延享二年(1745)」の墨書があったことから、同年の建築と推定され、(1)はその再建時の棟札です。その後、旧本堂は修理を重ねたとみえ、その竣工に際して(2)~(4)、(6)の棟札が納められました。
棟札には大工棟梁以外にも鳶や屋根師、瓦師、石工等、修営工事に携わった職人の職種や氏名が記されています。さらに、工事を支えた世話人や檀信徒の名が記されており、往時の西蔵院はもちろんのこと、金杉などの近隣地域の様子を知る上でも貴重な資料です。
西蔵院棟札
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