旧柏湯所蔵資料
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更新日:2024年1月12日
個人
平成10年登載
旧柏湯所蔵資料は、幕末から明治・大正・昭和における銭湯(古い言葉では湯屋といいます)の歴史を今日に伝える古文書群で構成されます。また、江戸時代の銘がある湯屋鑑札は、数少ない実物資料として重要なものです。震災や戦災により、大量の文字資料を失った台東区にとって、これらの資料は貴重であるため、一括して、区民文化財台帳に登載いたしました。
湯屋鑑札は、ケヤキの板(高さ64センチメートル)に十番組湯屋とあり、その下に、
文化 十組定 庚午
と刻まれるものです。文化庚午は文化7年(1810)に当たります。それまでは、江戸における湯屋仲間(組合)は未公認でしたが、仲間内の湯銭(入浴料)の価格決定などで不都合が生じるため、この年の5月初めて幕府に認められました。本資料はこのときに作られた鑑札で、所蔵者の柏湯で大切に保管されていました。
柏湯の創業は、天明7年(1787)といわれており、都内でも歴史が長い銭湯です。柏湯を代々営んできた松田家6代目の力治さん(故人)のとき(平成4年)、残念ながら廃業しました。
古文書は、弘化2年(1845)と安政6年(1859)のものが2通、それと2帖に仕立てられた貼交帖に、幕末より昭和初期に至る古文書が、250点以上貼り込まれています。
貼交帖の中の古文書(東京教育博物館が湯屋に植木の払い下げを許可する手紙、明治期)
湯屋鑑札
貼交帖(表紙)
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