竹編み
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更新日:2024年5月28日
大澤順一
平成13年指定(同28年保持者死亡により解除)
竹編み製品は、縄文時代から現代にいたるまで、日本列島に住む人々の衣・食・住や生業を支える重要な生活用具でした。平安時代には竹取物語の中で竹取の翁が「野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり」と述べており、すでに生活用具の中で竹を素材とするものが多かったことが分かります。
江戸時代の文献資料にも、籠や箕をはじめとする多種多様な竹製品に関する記述があります。イギリス人チェンバレンが明治時代の日本のありさまを記した日本事物誌に「日本の家内経済において竹の果す役割は広範囲にわたるから、竹がやらないことは何かと質問したほうがよい」とあるように、日本人の生活用具と竹との間には密接な関係がありました。それは全国各地に自生しており、成長が早いため入手しやすい材料であったことや、加工するにも大掛かりな道具を必要とせず、とくに竹編みの工程にはほとんど道具を使用しないこと、軽量で耐久性が高いことなど、竹の持つ特質が関係しています。
このように、竹製品は生活に密着していたため、用途に応じた竹編みの技法は50種類以上におよび、用途や使いやすさだけでなく、装飾的にも優れた造形美を生み出すことができます。
大澤順一さんは、昭和20年に竹細工師の大澤平助さんの弟子となり、竹編み技術の修得に務めてきました。早くから高い技術、多様な編み型を修めた人物として知られており、その製品も使いやすく、美しいとの定評があります。
多くの竹製品がプラスチック製品に変貌していく中で、都内に住む竹細工師たちも廃業・転業を余儀なくされてきました。近年では竹の持つ柔らかみや素朴な風合いを好む人々も多く、竹製品の需要も高まりつつありますが、竹編みの技術に習熟した職人は、都内全域でもわずか数人、区内では大澤さんただひとりでした。
竹かご
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