腹掛・股引作り
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更新日:2024年5月27日
森村英一
平成6年指定(同22年保持者死亡により解除)
足袋屋には、室内用足袋を扱う店と、外で仕事をする職人の足袋を作る店の2種類があります。後者は、江戸後期から昭和初年まで、足袋のほか印半纏・腹掛・股引など職人が身に着けるもの一式を手掛けてきました。この足袋屋の技術を受け継いだのが、豊多屋足袋店の森村英一さんでした。
森村さんは、昭和5年、竜泉生まれ。名人と呼ばれていた父、政吉氏(故人)から技術を学び、主に祭礼用の腹掛・股引を作っていました。
腹掛は、防寒用の胸当が汚れ防止用に変わり、火消し装束の影響を受け、現在の形になったのは江戸後期と考えられます。股引は、室町時代の史料に見られる、ももはばきが変化したと考えられ、元々仕事着として開発されたもので、立ち居に楽なように仕立ててあります。
江戸の職人は、股引は細ければ細いほどよいと踵に紙を当てすべらせてはいたというほどで、森村さんは、足首からふくらはぎまで体の線にぴったり合わせる技術を持つ数少ない職人でした。そのためには、採寸・裁断・縫製まで1人の手で行うことが欠かせず、既製品であふれた現在では貴重な伝統技術でした。
股引
腹掛
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