蚊媒体感染症(デング熱・ジカウイルス感染症など)
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更新日:2023年4月11日
蚊が媒体する感染症
海外にいるヤブカ属の蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)が媒体するジカウイルス感染症(ジカ熱)、デング熱、チクングニア熱といった感染症が流行している地域があります。日本国内では、ウイルスを持ったヒトスジシマカに刺されることで感染し、ヒトからヒトには感染しません。
なお、これらの感染症は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」で四類感染症に位置づけられており、同法12条に基づき、診断した医師は直ちに最寄の保健所へ届け出る義務があります。
ヒトスジシマカが媒体する主な感染症
ジカウイルス感染症(ジカ熱)
ジカウイルスに感染した蚊に刺されることによって生じる感染症です。
蚊に刺されてから2日から12日の潜伏期間の後、発熱・頭痛・眼球結膜充血・皮疹・関節炎・筋肉痛などを呈します。通常、これらの症状は軽く、数日続いて治まります。
重症化することはこれまでのところ報告されていません。また。感染しても全員が発病するわけではなく、症状がないか、症状が軽いため気がつかないことがあります。
平成27年5月以降、ブラジルやコロンビアをはじめとする中南米地域で流行が続いており、同時期に小頭症の新生児や神経疾患であるギラン・バレー症候群患者が増加していることから、その関連が示唆されています。
このため、妊娠や妊婦の可能性のある方は、流行地域への渡航を控えた方が良いとされています。やむを得ず渡航する場合は、厳密な防蚊対策を行う必要があります。
現在、日本国内で感染した事例はありません。
ジカウイルス感染症(東京都感染症情報センター)(外部サイト)
デング熱
デングウイルスの感染した蚊に刺されることによって生じる感染症です。
デングウイルスを媒介する蚊が生息する熱帯・亜熱帯地域で多くみられ、全世界で年間約1億人の患者が発生していると推測されています。日本でも海外渡航での感染による患者が200人以上発生しています。
典型的には、蚊に刺されてから3日から14日(多くは4日から7日)の潜伏期間の後、高熱(38度から40度)・頭痛・眼窩痛・関節痛・筋肉痛・発疹など呈します。1週間ほどで解熱し、予後は良好な疾患です。
稀に、熱が下がり始めたころ(2日から7日後)に、循環障害・消化管出血・呼吸困難などを呈しショック状態に陥る「デング出血熱」になることがあります。適切な治療を受ければ、死亡率は1%未満といわれています。
チクングニア熱
チクングニアウイルスを持った蚊に刺されることによって生じる感染症です。
かつては、アジア、アフリカの熱帯・亜熱帯が流行地域でした。しかし最近は、中南米の各地に流行地が広がり、今も拡大を続けています。マラリアと異なり、都市部でも感染の可能性があります。
典型的には、蚊に刺されてから3日から12日(多くは3日から7日)の潜伏期の後、発熱、発疹、関節痛がみられます。急性症状が軽快した後も、数週間から数年にわたってリウマチに似た関節痛や腫脹、圧痛が続くことがあります。
治療
特別な治療法はありません。症状に応じた対症療法がおこなわれます。
蚊に刺されて発熱などの症状がある場合は、かかりつけの医療機関などを受診しましょう。
予防のポイント
予防接種はありません。蚊に刺されない工夫をする必要があります。
加えて国内では、蚊の繁殖を防ぐことが大切です。
また流行地に渡航する際は、可能な限り施設が整った(網戸の設置や必要な清掃が行われている、エアコンが備わっている等)宿泊施設を利用しましょう。
最新の流行地域は、下記リンクをご確認ください。
デング熱 海外感染症発生情報(厚生労働省検疫所)(外部サイト)
蚊に刺されない工夫
戸外に出るときは肌の露出をできるだけ避ける。
(長袖シャツ・長ズボンなどを着用する。素足でのサンダル履きを避ける。)
虫刺され防止薬を適切に使用する。
網戸やエアコンを使用する。
蚊の繁殖を防ぐ工夫
雨水タンクに蓋をする。タイヤに溜まった水、ペット用の水、鉢植えの皿の水を放置しない。
屋外のバケツ等の容器や室内の花瓶の水などは最低週1回は交換する。
お問い合わせ
台東保健所 保健予防課感染症対策担当
電話:03-3847-9476
ファクス:03-3847-9424