絹本著色仏頂尊勝曼荼羅
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更新日:2024年2月20日
養寿院
平成2年登載、同3年指定
仏頂尊勝曼荼羅とは、金剛界大日如来を中心に釈迦の徳を図化した8つの仏頂を描き、下部右に降三世明王、左に不動明王を配した曼荼羅です。仏頂は、上部中央より右廻りで、尊勝・広生・最勝・無辺声・放光・発生・勝仏頂と呼び、中でも尊勝が最も勝れているため、仏頂尊勝曼荼羅といいます。
本図は、縦122センチメートル、横60センチメートル。比叡山延暦寺の僧願海が、孝明天皇の皇子祐宮(後の明治天皇)の無事成育を祈るため、嘉永7年(1854)に京都の絵師岡田為恭(1823~1864)に描かせたものです。
為恭は、冷泉為恭の名でも著名な人物。文政6年(1823)絵師狩野永泰の三男に生まれ、一時は冷泉姓を自称しましたが、後に貴族の岡田家の養子となりました。平安時代に隆盛した大和絵の復興を志し、大和絵の技法を用いて独自の創作を行った人物で、彼のような絵師を復古大和絵師といいます。
本図の右下部と軸の左下部に為恭の署名があります。また、軸下部には為恭と親しかった公家東坊城聡長の識語があり、本図が制作された由来を記しています。本図は、為恭が31才の時の作品。為恭の代表作のひとつで、大和絵の技法の中に為恭独自の画風を盛り込んだ、秀逸な作品です。
絹本着色仏頂尊勝曼荼羅
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