銅鐘(長明寺)
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更新日:2024年2月20日
長明寺
平成13年登載
長明寺の銅鐘は、総高が122.9センチメートル、口径が75.1センチメートルです。
銘文によると、天和2年(1682)初冬(10月)16日、当寺檀那屋代安次が自らの逆修供養のために寄進しました。逆修とは生前に自分の死後の冥福を祈るため仏事を修することです。この鐘を鋳造した鋳物師は、椎名伊予良寛です。鋳物師の椎名家は江戸時代初頭に多くの作例を遺し、椎名伊予吉次を初代とする江戸鋳物師の名家です。
椎名伊予良寛は延宝9年(1681)頃から元禄13年(1700)頃にかけて活躍した鋳物師で、およそ26点の作品を残しています。内訳は銅鐘が19点、銅燈籠が2対4点、宝塔・水盤が各1点です。とくに宝塔は、上野寛永寺にある徳川将軍墓のひとつで、4代将軍家綱(厳有院)の墓です。このように将軍家の墓の鋳造を任されている事からも、椎名良寛が当時実力を伴った著名な鋳物師であったことがわかります。
本銅鐘は、区内に現存する銅鐘の中でも比較的古いものに属します。加えて鋳造者の椎名良寛は、当代一流の鋳物師の1人であり、鋳物師椎名家の活動を知る上でも貴重な遺品です。
長明寺の銅鐘
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