銅鐘(妙経寺)
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更新日:2024年2月19日
妙経寺
平成10年登載
妙経寺の銅鐘は、総高151.5センチメートル、口径が96センチメートルです。銘文によれば、宝暦13年(1763)5月、当寺第10世住職日隆の依頼により、西村和泉守政時という鋳物師が鋳造したものです。
鋳物師の西村家は、延宝年間(1673~1681)頃から大正時代に至るまで11代にわたり鋳物師をつとめた家で、代々神田に住み、和泉守・政時を名乗っています。
この銅鐘を鋳造した人物は、4代の和泉守政時。4代は享保5年(1720)頃、3代の実子として生まれ、市郎兵衛・伊右衛門を名乗っています。宝暦8年(1758)12月父の死去に伴って4代を継承しました。安永4年(1775)4月6日に没するまで39点の作品を遺しています。その内訳は銅鐘26点、灯籠8点、塔2点、鉢・鉦鼓・香炉各1点ですが、中でも宝暦11年、芝の増上寺に9代将軍家重の霊廟が造立された際には、武蔵国忍藩(現・埼玉県行田市)阿部正允をはじめ、5人の大名から銅灯籠の鋳造を依頼されています。将軍霊廟の灯籠を依頼されているのですから、4代和泉守政時は当時著名な鋳物師の一人だったことがわかります。
この銅鐘は、上部から中央部にかけての膨らみを下部でしぼり、均整のとれた造形となっています。江戸時代中期を代表する鋳物師の遺品であることとを併せ、貴重な文化財です。
妙経寺の銅鐘
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