銅鐘(報恩寺)
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更新日:2024年2月19日
報恩寺
平成8年登載
当寺は、建保2年(1214)親鸞の高弟・性信によって開かれた浄土真宗大谷派の寺院です。
本品は、総高約190センチメートルで、江戸時代一般にある青銅製の梵鐘です。龍頭は双頭が背合わせになっており、中央に蓮華座をもつ宝珠を置きます。煩悩の数を示すという乳の間は4区に分けてあり、1区内に5段5列、総計100個の乳を配します。撞座は、蓮華文をあらわし位置は低く、龍頭の龍の鼻先の下側に配されています。縁の部分は駒の爪といい、本体より出っ張っており、厚みを帯びています。
池の間第1区から第3区に陰刻された銘文によると、慶安元年(1648)に、報恩寺14世住持宣了および檀信徒の講中の発願で、堀山城守藤原清光により鋳造されたと知られます。
藤原清光は、初代を山城浄栄、2代を通称を弥助、浄甫と号し、本鐘の作者は2代浄甫と考えられます。浄甫は当代一の名工で、このほかに、現存しているものでは次の作品があります。
慶安4年(1651) 上野東照宮銅灯籠
承応2年(1653) 日光東照宮銅灯籠
寛文元年(1661) 渋谷区広尾祥雲寺梵鐘
同12年(1672) 埼玉県越生町龍穏寺梵鐘(県指定文化財)
本鐘は、この中で最も早く制作されており、昭和18年、重要美術品の認定を受け、戦時下における供出は免れました。現在、平成2年に完成した当寺境内の鐘楼に安置されています。
銅鐘
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