江戸刺繍
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更新日:2024年3月27日
野村國俊
平成4年指定(同19年保持者死亡により解除)
江戸刺繍は、糸の染め、縒り、巻きを1人でこなし、釜糸(釜で柔らかく煮た絹糸)・金糸・銀糸を用いて、生地の上にすべて手作業でぬいます。数種類の基礎ぬいを組み合わせると、その技法は100種にも及びます。
刺繍は、江戸をはじめ、京都や加賀などの、近世の城下町に集住する職人の手によって発達していきました。江戸では硬くきっちりした調子が好まれ、糸の縒りが他の地域よりもきつく、立体的なのが特色です。明治・大正時代は、衣服に身分差がなくなったため、高級服志向の庶民が増え、刺繍産業は盛んになりました。しかし、戦後は機械で行う洋装刺繍が普及し、今では手刺繍の注文は減少しています。
野村國俊氏は、明治40年、上野の松屋刺繍店の長男として生まれ、大正11年に3代目を継ぎました。和装品のほか、神社・仏閣の依頼により、山車の見送り・御簾なども多く手掛けています。特に、野村さんは繍仏(仏像を刺繍で表現したもの)を得意とし、作品を仕上げるために、取材旅行に出掛け調査に赴きました。
吉祥天像
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