東流二絃琴
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更新日:2024年3月26日
藤舎 蘆船
平成14年指定(同16年保持者死亡により解除)
東流二絃琴は、江戸時代後期に生まれた八雲琴の一種です。明治初年に八雲琴の奏者大岸元琴の弟子、初代藤舎蘆船(本名・加藤宗三郎)が、浅草須賀町で八雲琴を改良し創始した楽器および流派で、代々家元は蘆船を名乗ります。
楽器は八雲琴にさまざまな工夫を加え、楽曲は江戸文化の一端である長唄・端唄などを取り入れた音楽で、軽妙かつ透き通る音色は明治時代以降、多くの人々に愛されてきました。夏目漱石の代表作『吾輩は猫である』にも、「新道の二絃琴のお師匠さんの所の三毛」が度々登場しますが、一般の人に説明の必要がないほどよく知られた存在となっていたことが分かります。
初代より現代の八代にいたるまで、浅草が活動拠点のひとつであり、楽曲の中には浅草・隅田川を歌ったものが少なくありません。
根岸喜久子さんは、六代藤舎蘆船(根岸千枝子)の長女として生まれ、幼少の頃から母親の薫陶を受けるとともに、自らも努力を重ね、八代藤舎蘆船襲名以降は、多くの後継者育成にもつとめています。
東流二絃琴は近代の浅草文化を担ってきた重要な芸能であり、根岸喜久子さんは東流二絃琴にもっとも習熟した人物としてきわめて貴重な存在です。
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