銅造阿弥陀如来坐像(天嶽院)
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更新日:2024年2月19日
天嶽院
平成6年登載
本像は、天嶽院墓地の最奥に安置されています。像高129.4センチメートル。ふっくらとした顔貌に、均整のとれた体躯で、両手は法界定印という印相を結び、結跏趺坐の形をとります。像背面の銘文によると、延宝8年(1680)に太田久兵衛正儀という鋳物師が、当寺第5世住職の聞徹の依頼で制作したことが分かります。ただし、銘文にある日付は聞徹の死去した日であることから、聞徹の遺言により、その死後まもなく造立にかかり、その命日を刻んだものと思われます。
太田久兵衛正儀は神田鍋町(現・千代田区鍛冶町2・3丁目)に住み、現存する遺品として、他に和歌山県高野山奥之院の寛文6年(1666)銘の地蔵菩薩像を製作しています。なお、宝永5年(1708)に江戸六地蔵を鋳造したことで著名な「太田駿河正儀」は、久兵衛正儀の孫と思われます。
本像は制作が優秀である上、制作者・年代が明らかで、江戸時代の鋳造彫刻を考える際の重要な資料です。加えて、天嶽院住職の依頼による鋳造であり、当寺の歴史をも教えてくれます。
銅造阿弥陀如来坐像
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