銅造阿弥陀如来坐像(浅草寺)
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更新日:2024年2月19日
浅草寺
平成24年登載
本阿弥陀如来坐像は銅製、鋳造で、総高が294.5センチメートル。像高は186センチメートルあります。
本像は銘文によると、元禄6年(1693)4月に理性院宗海が三界萬霊、六親眷属、七世父、親類兄弟、有縁無縁の逆修と追善のために千日供養仏の造立を発願し、神田鍛冶町の鋳物師今井藤治郎藤原吉次が制作して、浅草寺の境内に安置したものです。のち、同15年6月に両脇侍像(観音、勢至)が完成し、阿弥陀三尊像として造立されました。この両脇侍像を制作した鋳物師は、『浅草寺志』に記された銘文により、小伝馬町3丁目の鋳物師、宇田川善兵衛重賢でした。両脇侍像は勢至菩薩像の台座を除いて、現存しません。
本像の制作者である今井藤治郎藤原吉次は、蓮華座に刻まれた銘文から神田鍛冶町2丁目(現千代田区鍛冶町2丁目)の鋳物師でした。しかし、作例については本像以外に知られていません。
願主の理性院宗海は、浅草三間町(現駒形1丁目、雷門1丁目から2丁目、寿4丁目付近)の僧侶で、本像の造立に際して近隣地で勧募活動を行い、結縁者を募りました。結縁した人々は職人や商人等の町人が多く、さまざまな職種が見られます。また念仏行者や、念仏講中も結縁していることを考えると、宗海の勧進活動には念仏講が協力し、地縁的な繋がりの中で結縁したと考えられます。
本像は、江戸鋳物師の作風を伝えるものとして貴重な遺品であり、江戸時代の鋳物師を考える上で基準となる作例のひとつです。さらに台座に刻まれた銘文は、江戸時代前期の信仰、宗教活動を知る上で貴重な資料です。
銅造阿弥陀如来坐像
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