銅造阿弥陀如来坐像(仰願寺)
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更新日:2024年2月20日
仰願寺
平成29年登載
仰願寺は、来迎山転法院と号する浄土宗寺院です。寺伝によると、元和9年(1623)、埼玉郡八条領垳村(埼玉県八潮市)に仰願栄良(1599~1671)を開山として起立し、正保5年(慶安元年・1648)に当地へ移転しました。
本像は、銅製、鋳造で、大きさは総高140.5センチメートル、像高は90.0センチメートルです。両手は腹前で弥陀定印を結び、右脚を上にして結跏趺坐。現在は仰願寺の墓地内に安置されています。
本像は、元禄13年(1700)に念仏一万日回向の結願を期して造立されました。それは当寺3世行誉益道の代で、花川戸町の荒川茂兵衛が施主となったことが、銘文からわかります。
このように本像は、江戸時代中期の制作ですが、総じて丁寧な作りです。特に顔面は破損していて当初の面貌を損じていますが、江戸時代前期の作風を残しています。
また衣には、杉綾文、牡丹唐草、雲文、唐草、S字繋ぎ文等の多彩な文様を彫刻(陰刻)し、像全体に華やかな印象を与えています。
こうした多数の複雑な文様を施す鋳造仏は少なく、文様の配置などは着衣との関係に一部矛盾をきたしているものの、制作者の技量を知る上で貴重です。また、当時代の作風を知ることができる作品です。さらに、刻まれた銘文から、当時の信仰を知る上でも重要です。
銅造阿弥陀如来坐像
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