今戸人形の型
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更新日:2024年3月14日
個人
平成25年登載 131点(原型12点、型119点)
平成28年追加 1点(型1点)
白井家に伝わる「今戸人形の型」は、平成25年に131点が台東区有形民俗文化財に登載され、それらとは別置されていた型1点が、平成28年に追加登載されました(計132点)。
今戸焼は江戸時代中期以降、浅草今戸町を中心におこなわれた焼き物で、かつては江戸東京の消費者のために瓦類・日常生活雑器・土人形類・工芸品などが製作販売されていました。今戸焼の土人形は、江戸東京の代表的な郷土人形であり、今戸人形と呼ばれて親しまれました。
本資料132点は、今戸人形を製作するための原型12点、型120点からなります。人形よりもきめ細かい良質の土を用いて硬く作られており、重量感があります。本資料には、しばしばヘラ書があり、符号(記号・数字・仮名など)、人形の種類(名称・絵)、人名などが刻まれています。原型は前後の型のつなぎ目となるところを線彫りで示しています。泥面子などを除き、ほとんどの型は、本来は一対で作られたものですが、多くは一方が失われており、一対が現存するものは4点です。
本資料は江戸時代のものと伝えられ、白井家で入手して、保存されてきました。同家は江戸時代から続く今戸焼職人の家であり、かつては日常生活雑器の製作販売を中心としていました。4代目の白井孝一さんが関東大震災の後、低調であった今戸人形の復活に取り組み、5代靖二郎さんを経て、現在は6代裕一郎さんが今戸人形を中心として今戸焼の製作販売を続けています。その技能は平成24年、台東区生活文化財「今戸焼作り」に指定されました。
同家では今戸人形を製作する上で、本資料を参考としてきましたが、基本的にこれらの型を直接製作に用いることはせず、新たに製作した型を用いています。
古い時期の今戸人形の製作に用いられた型がまとまって伝わるもので、貴重な民俗文化財です。
「福助」の型
「踊り雀」の原型(右は現行製品)
「とぐろを巻いた蛇」の型(平成28年追加登載)
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