天王寺版木
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更新日:2024年2月20日
天王寺
平成24年登載
天王寺には、近世後期から近代・現代までに開板された版木が51点所蔵されています。
天王寺は護国山と号する天台宗寺院ですが、もとは長耀山感応寺尊重院と号する日蓮宗寺院でした。元禄11年(1698)、江戸幕府の宗教政策により日蓮宗から天台宗への改宗を命じられ、寛永寺の末寺となりました。この時、比叡山延暦寺の北西に鞍馬寺があり、毘沙門天を安置して京を鎮護していることに擬えて、東叡山寛永寺の北西にあたる感応寺に、比叡より毘沙門天を移し本尊としました。さらに天保4年(1833)には護国山天王寺と改称しました。本版木は天台宗へ改宗した後に製作され、当寺で使用されたものです。
本版木は大きく(1)縁起類11点(江戸時代後期、嘉永元~4年開版)、(2)絵像類12点(毘沙門天像、豆大師、角大師、三峯神使像など、文化14年~現代)、(3)札類19点(節分札、大般若経転読札、牛玉宝印など)、(4)経典類1点(仏説毘沙門天王功徳経、嘉永2年開板)、(5)その他8点に分けられます。
天王寺の版木は、江戸時代後期から近現代までの信仰に関わる資料です。天王寺は江戸幕府の宗教政策によって、日蓮宗から天台宗に改宗するなど、数度の転換期がありました。その変化とともに、信仰も変容し、その一端が版木に表われています。また、関東大震災や戦災によって多くの文献資料を失った台東区にとって、本版木は庶民の信仰、寺院の経営を考える上で重要な資料です。
天王寺版木
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