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紙本著色金亀図 酒井抱一筆

ページID:337126796

更新日:2024年2月20日

永称寺
平成19年登載

 文政9年(1826)6月26日、長久山永称寺の庭園に金色の亀が出現しました。この時代、金色や両頭といった珍奇な亀の出現は、市井のニュースとなる出来事でした。このことを瑞祥として、当寺において本図が制作されました。酒井抱一が金亀を描き、19世住職の謙敬など5名が賛を寄せています。縦125センチメートル、横54.5センチメートル。
 酒井抱一(1761~1828)は文化6年(1809)から根岸の雨華庵うげあんに住居して、文政11年(1828)11月29日にそこで死去しました(現在の根岸5丁目)。抱一と親交があった当寺には、本図のほかにも作品が伝来しており、区民文化財となっています(歳寒三友図、れん、俳書「蓮飯は」)。
下記の銘文から、本図は当寺における会席で制作されたものと考えられます。地域における文人の活動を伝える貴重な資料です。
1 現住 謙敬
  行末の代々のさかえをたのむそよ こかねの色を背におへる亀 
2 長久山頭深緑池 波間適見泛金亀 応依遍照光明徳 曳尾千年心自嬉 法印澄成
3 亀も此み法の池の功とく水 うけて金の色やあらはす 宮内卿法眼猷正讃之
4 時しあれは亀もこかねの 色そへてみのりの庭に けふあそふなり
5 曳尾泥中経幾歳驚看金甲 出禅池欲呈瑞去偏留跡不負 図来別有奇含喜主人為請画 撚髭賓客迭裁詩休言今古長
  年者與此霊亀同寿誰 東渓
6 文政九年丙戌夏六月廿六日 現於永称精舎後園金亀 因以写其真 抱一暉真


紙本着色金亀図

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