平成19年度第2回台東区中核病院運営協議会報告
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更新日:2010年10月22日
平成19年度第2回台東区中核病院運営協議会(平成20年2月25日開催) 報告
台東区中核病院運営協議会より、評価・検証の結果について第11回目の報告が、平成20年4月9日に区長に提出されました。
評価・検証事項
永寿総合病院から提示された、同病院の療養病床92床のうち46床を一般病床に転換するという提案に対して、病床状況と、病床転換の内容について、台東区中核病院運営協議会設置要綱第2条の規定に基づき評価・検証を行った。
永寿総合病院の病床状況と病床転換について
(1)永寿総合病院の病床運営状況について
永寿総合病院の病床は、一般病床308床と療養病床92床の計400床となっている。
一般病床の予約も含めた稼働率はおおよそ95%程度で、最近は産婦人科と小児科の患者数が増加傾向にあり、特に出産で使用する産婦人科病床は出産が増加していることから100%を超える稼働率となっている。
病床は、男女別室などのため10%程度の空床を常時確保することが必要なことから、一般病床は常時満床の状態となっている。その一方、療養病床は入院患者数が減少傾向にあり、稼働率もおおよそ80%程度のため常時空床がある状態となっている。
(2)病床運営における課題解決にむけて
一般病床の満床状態を緩和し、増加する産科などの病床を確保するため、92床ある療養病床の半分にあたる46床を一般病床に転換する。これにより一般病床の状況を改善し、産科、小児科、救急医療などで必要とされている病床確保が可能となるため、区民の身近な地域での医療の維持、充実を図ることができる。
(3)病床転換により想定される利益(メリット)と不利益(デメリット)
療養病床転換にともなう利益(メリット)
- 一般病床の増床が可能となるため、増加している産科や救急患者の受入が可能となる。
- 新たに小児科専用の入院病床が確保できる。
療養病床転換にともなう不利益(デメリット)
- 療養病床の減床により、現在、療養病床に入院している患者の退院、転院が必要となる。
これについては、病床転換後も現在入院中の患者はそのまま一般病床として入院を継続し、退院や転院をする場合は、受入先について永寿総合病院が紹介先を確保するなどの対応を行う。
- 療養病床の減床により、将来に向けた療養病床の受入数の減少が想定される。
これについては、転換後の療養病床を効率的に運用し、できるだけ患者の受入を図ることで対応する。そのため、地域の医師会などとの連携を促進する。
(4)病床転換日 平成20年4月1日
※療養病床とは、主に慢性期の疾患を扱う病床のことで、医療保険の対象となる医療型療養病床と介護保険の対象となる介護型療養病床の2種類がある。
中核病院運営協議会での評価・検証
- 全国的に医師不足といわれる中、特に産科や小児科については全国的に診療を停止・縮小する医療機関が増えている。
- 区内で分娩を行っている医療機関は永寿総合病院を含め3医療機関のみで、特に永寿総合病院は分娩を実施している唯一の病院であり、分娩数も最も多い。また小児科については、区内で小児科専用の入院病床を持つ医療機関は無く、永寿総合病院も空床を利用することで対応している。
- 永寿総合病院の一般病床は常時満床状態だが、療養病床は常時空床が存在する。病院全体の病床数は増加できないため、現在の病床数の中でやりくりをする必要がある。
- 産科や小児科の入院は緊急を要するものであり、区民に身近な地域で医療を提供できるようにすることが必要である。
- 療養病床を利用している患者は、緊急的な処置を必要とするものではなく、老人保健施設など介護施設の利用も考えられる。
- 中核病院整備の理念なども含めて病床転換について評価検証を行った結果、大変に難しい問題であるが、緊急性の高い産科や小児科、救急入院などの入院病床を確保するため、療養病床の一部転換について中核病院運営協議会として了承する。
ただし、現在、療養病床に入院している患者については、永寿総合病院が親身になって転院先を探すなどの配慮をすることが必要である。また本来であれば永寿総合病院の療養病床を利用できたであろう患者に対する対策も必要である。
- 永寿総合病院は台東区の中核病院として、これまで以上に区内各医療機関等との連携機能を十分に発揮し、医療連携を支える中心としての中核病院の使命を果たしてもらいたい。
区長は、この報告を受け、平成20年5月30日に永寿総合病院に対し、「本報告の趣旨に沿って理念の実践に努められるように」と提言しました。
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