房紐作り
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更新日:2024年4月5日
大濱健二
平成10年度指定(同11年保持者死亡により解除)
大濱典子
平成10年指定
私たちが何気なく見ている神社の鈴紐、神輿紐、校旗や緞帳の縁飾り、そして力士の化粧まわしの周囲の紐、これらは房紐といいます。
房紐は、江戸時代に組み紐師の仕事から分かれ専門職化したと考えられ、明治になり、洋風衣装や洋風建造物内のカーテンなどの内装が国内で流行したため、西洋の職人だけで対応できなくなり、組み紐職人が、新たに西洋風の房紐(フリンジ)の技術を習得しました。
房紐は、複数の紐を束ねて撚り合わせ、更に七宝編みなどの透かし編みを施します。木芯を中に込める、神輿の紐などもあります。外縁部のため、糸の強度を高め長持ちさせることと、発注者が旗屋・刺繍師など異なる職種なので、規格寸法通りに作ることに気をつかいます。
大濱関四郎さん(故人)は、戦中戦後の相撲の黄金期を含めて60年近く化粧まわしを製作し、その過程で独自の機械を考案しました。関四郎さんから技術を受け継いだ息子の健二さんは、昭和12年5月30日、下谷生まれ。父考案の機械類を自在に操り、均一な撚り、揃った編み目を構築できる技術を有します。
編む作業は、全て手で行い、編み加減によって出来上がりが異なり、これは関四郎さんや、夫である健二さんより技術を伝授された典子さんが担当する重要な部分です。典子さんは、昭和14年5月14日、新潟県柏崎生まれ。同34年上京、大濱房紐製作所で働くようになりました。作業は分担して行っており、どちらか一人でも欠けると仕事が滞ってしまいます。ご夫婦お二人で力を合わせて作り上げる房紐は、確かな技術に支えられた見事なものです。
大濱健二さん・典子さん
下谷2丁目小野照崎神社の鈴紐(部分)
相撲化粧まわしの房紐
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