裁判員制度
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更新日:2024年7月30日
Q 裁判員制度とはなんですか?
裁判員制度とは、国民のみなさんに裁判員として刑事裁判に参加してもらい、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決めてもらう「国民の司法参加」を実現する制度です。
Q なぜ導入されるのですか?
国民のみなさんが裁判に参加することによって、法律の専門家ではない人たちの感覚が、裁判の内容に反映されることになります。その結果、裁判が身近になり、国民のみなさんの司法に対する理解と信頼が深まることが期待されています。
国民が裁判に参加する制度は、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなど世界の国々で広く行われています。
Q 裁判員が参加するのはどのような裁判ですか?
代表的なものをあげると、次のようなものがあります。
- 人を殺した場合(殺人)
- 強盗が人にけがをさせ、又は死亡させてしまった場合(強盗致死傷)
- 人にけがをさせ、死亡させてしまった場合(傷害致死)
- 泥酔した状態で自動車を運転して人をひき、死亡させてしまった場合(危険運転致死)
- 人の住む家に放火した場合(現住建造物等放火)
- 身の代金を取る目的で人を誘拐した場合(身の代金目的誘拐)
- 子供に食事を与えず放置したため、死亡してしまった場合(保護責任者遺棄致死)
- 財産上の利益を得る目的で覚醒剤を密輸入した場合(覚醒剤取締法違反)
Q 裁判員はどのようにして選ばれますか?
最初に、選挙人名簿をもとに裁判員候補者名簿を作成します。裁判員は、この候補者名簿の中から、1つの事件ごとに、裁判所における選任手続により選ばれます。
また、裁判は「裁判員6人、裁判官3人」で事件の審理を行います。ただし、争いのない事件で、検察・弁護双方に異議がない場合、裁判官の裁量で「裁判員4人、裁判官1人」で行われる場合もあります。
Q 裁判員に選ばれたらどのようなことをするのですか?
次のような仕事をすることになります。
1.公判に出席する(公開)
裁判員に選ばれたら、裁判官と一緒に、刑事事件の法廷(公判といいます。)に出席します。
公判では、証拠書類を取り調べるほか、証人や被告人に対する質問が行われます。裁判員から、証人等に質問することもできます。
2.評議、評決をする(非公開)
裁判員と裁判官とで話し合い(評議)、有罪・無罪や刑の内容を決定(評決)します。有罪か無罪か、有罪の場合の刑に関する裁判員の意見は、裁判官と同じ重みを持ちます。
3.判決宣告(公開)
裁判員同席の上、法廷で裁判長が判決を言い渡します。裁判員としての役割は、判決の宣告により終了します。
Q 裁判員になるために資格は要りますか?
衆議院議員選挙の選挙権を有する方であれば、原則として誰でもなることができます。
※法改正により、令和4年4月1日から裁判員になることができる年齢が18歳以上になりました。
Q 裁判員は法律のことを知らなくてもなれますか?
有罪か無罪かの判断の前提として法律知識が必要な場合は、裁判官から分かり易く説明されますので心配ありません。
Q 裁判員は辞退できますか?
裁判員になることは法律上の義務であるため、原則として辞退することは認められておりません。ただし、次のような人は、裁判所へ辞退を申し出ることができます。
- 70歳以上の人
- 地方公共団体の議会の議員(ただし会期中に限ります)
- 学生又は生徒
- 過去5年以内に裁判員、検察審査委員等を務めたことのある人
- 過去1年以内に裁判員候補者として裁判所に行ったことのある人
- 一定のやむを得ない理由があって、裁判員の職務を行うことや裁判所に行くことが困難な人(例/重い病気やケガ、同居の親族の介護や養育・事業に著しい損害が生じるおそれがあること・父母の葬式等)
Q 裁判員として裁判所へ行くために仕事を休むことはできますか?
裁判員の仕事に必要な休みをとることは法律で認められています。また、裁判員として仕事を休んだことを理由に、会社が解雇などの不利益な取扱いをすることは法律で禁止されています。
Q 裁判員の守秘義務とはどのようなものですか?
裁判員は「評議の秘密」を守らなければなりません。評議の秘密とは、非公開の評議で誰がどのような意見を言ったかということなどです。
また、裁判員の仕事をする上で知った、事件と関係のない個人のプライバシーなどの秘密も守られなければなりません。これらの秘密をもらす行為については罰則があります。
Q 裁判員になったことでトラブルに巻き込まれることはありませんか?
裁判員は法律で保護されており、名前や住所などが公にされることはありません。また、評議の際にどの裁判員がどんな意見を述べたかも明らかにされません。その他、裁判員の皆さんの安全を確保するために、裁判員やその親族に対し威迫行為をした者を処罰する規定が設けられています。
なお、裁判員やその親族に危害が加えられるおそれがあり、裁判員の関与が非常に難しいようなごく例外的な事件は、裁判員が加わらず裁判官だけで裁判を行う場合があります。
Q 裁判はどれくらいの時間がかかりますか?
裁判にかかる時間は裁判所や事件により異なりますが、1日あたり5~6時間程度と言われています。審理日数についても、それぞれの事件の内容などにより異なるので一概には言えませんが、多くは4日前後で終わっています。
詳しい内容は下記へお問い合わせください。
裁判所
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