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ヤスリ作り

ページID:756471080

更新日:2024年4月8日

深沢敏夫
平成15年指定

 ヤスリは5世紀の古墳からの出土例もみられる古い道具で、主に金属製品の製作・整備に用いられる、職人のための道具でした。江戸時代には都市部における需要が増大して、江戸中期頃には江戸市中にヤスリ専業の職人が開業していたとみられます。その技法は明治時代の職人たちに受け継がれていきました。
 深沢敏夫ふかざわとしおさん(昭和16年生)の祖父、松五郎氏が当地で、深沢やすり店を開業したのは明治30年代頃です。しかし大正期頃から、広島県仁方町などで機械生産されるヤスリが主流となっていきます。全国金物名鑑(昭和3年)では、現在の台東区域に23軒のヤスリ業者がみえていますが、東京の手作りヤスリ職人は次第に減少していきました。
 そのような中、深沢敏夫さんは昭和31年から修業をはじめ、伝統的技法によるヤスリの製作・販売を続けました。現在、手作りヤスリ職人は全国でも数少なく、台東区内では深沢さんただ一人です。
 特殊な用途に専門化したヤスリの製作では第一人者であり、伝統的工芸品の製作用のヤスリや、外科医療用のヤスリなど、大量生産の規格品では対応できないような、多種多様な顧客の注文に応えています。
 基本的な製作工程は以下のとおりです。なかでも目切り、焼き入れの作業が最も集中力が必要だといいます。
 1火造り 2焼なまし 3酸洗い 4研磨 5目切り 6焼き入れ 7酸洗いと錆〈さび〉止め加工

お問い合わせ

生涯学習課文化財担当(生涯学習センター)

電話:03-5246-5828

ファクス:03-5246-5814

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