平成21年度　したまちTAITO産業賞受賞企業

有限会社堀口製作所は、伝統的な技法によって、銅・真鍮・赤銅・銀などを用いて多様なデザインの引手を製作している会社です。襖・障子の引手だけでなく、取手・釘隠し・蝶番など、和室金具一般を手がけており、製品は寺社、有名旅館、茶室等でしようされています。

最近では、書籍やテレビなどにも紹介され、社長の堀口氏は、台東区生活文化財として指定されるなど、国内では数少ない伝統職人として高い評価を受けています。

株式会社川小商店は、明治9年、埼玉県川越の芋づくり農家救済のため浅草駒形に店を構えて以来、130年余り幾多の困難を乗り越えてきた老舗企業です。「再生産価格の維持」という生産者の方々との共生の精神で、いも問屋が東京で1軒となった今でも、精力的に事業を展開しています。近年では、関連会社を設立し、「おいもやさん」の登録商標のもと、サツマイモ菓子小売店を台東区中心に10数店舗出店しています。東京はもとより、全国的にも、健康食品「サツマイモ」を専門に取り扱う企業は他に類を見ません。

株式会社ハヤカワ毛皮は、昭和28年創業以来、原皮の買い付け、保管から加工、販売と一環流通体制をとっている毛皮総合卸売業者です。同社の製品を購入いただいたお客様へのサービスとして、リフォーム、修理から冷蔵トランクルームでの保管、クリーニングまでを行うという、業界でも類のないサービスを提供しています。また、商品本意主義に徹し、人の役に立つものづくりを目指す社長自らが、高級コートからアクセサリー、ポシェット、ゴルフクラブのヘッドカバーまで多岐にわたる商品の開発を進めています。

有限会社ゴールド石川は、明治45年、現社長石川広明氏の曽祖父が創業した貴金属等製品の製造加工を行っている老舗企業です。伝統的な金工技術を約1世紀に渡り、受け継いでおり、その技術を基に、仏像、仏具、茶具、記念品などを製造しています。現在の五代目石川広明氏は、水槽に入れる純金金魚の製作をする等、今後の展開が期待されています。こうした取り組みも非常に確かな技術に裏打ちされたもので、その技術を活かして行っているところが、当社の強みとなっています。

株式会社田代合金所は大正3年の創業以来、区内で大手新聞社向けの活版印刷用地金やアクセサリー用合金を製造してきた会社です。中国への生産シフトが進み、合金の需要が減少していく中、新たな市場を開拓すべく、平成17年に、世界唯一の錫の内装材”コンウォール”を開発しました。錫を板状に伸ばし、岩肌・木目・革目等の文様を付けたプレートは、インテリア業界で注目を浴びることとなり、室内装飾の展示会で技術賞等を受賞。有名な新型ビルやレストラン等の受注が相次いでいます。平成21年、都主催の英国とドイツの商談会で高評価を得たことをきっかけにその後、英国で開催された100％デザインロンドンに出展し、ブループリント賞受賞後、国外初受注も果たし海外でも注目されています。