国保財政健全化計画
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更新日:2023年7月1日
国保財政健全化計画について
平成30年度の制度改正により、都道府県と区市町村が共に国民健康保険を運営することとなり、都道府県においても国民健康保険運営方針を定め、安定的な財政運営や効率的な事業の確保等を主体的に行うこととなりました。
このため東京都では、「東京都国民健康保険運営方針」において、区市町村が削減・解消すべき赤字について、「区市町村国保財政健全化計画」を策定して計画的に赤字を解消することとしています。
これを受け区は、赤字の削減・解消に向け、目標の設定や実効性のある取組等について東京都と協議を行ったうえで「国保財政健全化計画」を策定しました。
国民健康保険の会計と削減・解消すべき赤字
区市町村と都道府県の国民健康保険の経理は、国民健康保険法により、一般会計から切り離し、国民健康保険特別会計を設け、行うこととされています。
東京都の国民健康保険事業会計の主な歳出は、医療費の給付にかかる費用です。また主な歳入は、東京都が各区市町村から徴収する「国民健康保険事業費納付金」です。なお、国民健康保険の場合は被用者保険のような事業主負担がないことから、国による財政支援が行われています。また、他の保険者から拠出される「前期高齢者交付金」も大きな財源となっています。
台東区の国民健康保険事業会計の主な歳出は、納付金の支払いにかかる費用です。主な歳入は保険料収入です。しかし例年、特別会計の歳入に不足が生じ、区民税などを財源とする一般会計からの繰入を行っています。これが国民健康保険の「赤字」となります。
※図はイメージです。
赤字が発生する主な原因
台東区では、特別区長会で策定した基準保険料率を採用し、条例に定めています。
基準保険料率の算定においては、歳入に不足の生じない適正な保険料率の設定を目指しつつも、保険料の急激な変化が生じないよう特別区独自の激変緩和措置を講じています。
また本来は、滞納などによる保険料の未収分について、その不足が補填できるよう、料率に上乗せをするかたちで算定しますが、基準保険料率では、保険料未収分を含めず算定することにより更なる緩和を図っています。
このため保険料収入に不足が生じ、一般会計からの繰入を行っています。
赤字の削減・解消に向けた取組
赤字の削減・解消に向け、次の取組を行います。
《保険料収入を確保するための取組》
・保険料率の改定 ・収納率の向上
《保険給付費の伸びを抑えるための取組》
・ジェネリック医薬品の使用率向上 ・特定健康診査の受診率向上など
計画の評価
毎年の決算が明らかになった時点で計画の評価を行い、必要に応じ、より実態に即した計画となるよう見直しを行います。
台東区の国保財政健全化計画
国保財政健全化計画書(令和2年8月変更)(PDF:189KB)
※国保財政健全化計画の変更があった場合は、変更後の計画を掲載しています。
補足
補足1 前期高齢者に係る財政調整(前期高齢者納付金・前期高齢者交付金)
各保険者において、医療費が高額となる高齢の加入者数にばらつきがあるために生じる医療費負担の不均衡を是正するために行われる財政調整措置です。
前期高齢者(65歳以上75歳未満の高齢者)の加入率が全保険者平均以下の保険者は、その負担の差分を「前期高齢者納付金」として支払い(財源は保険料)、全保険者平均以上の保険者は、その負担の差分を「前期高齢者交付金」として受け取ることができます。
各保険者の比較
各保険者の加入者の状況等は以下のとおりです。
国民健康保険 |
協会けんぽ | 健保組合 | 共済組合 | 後期高齢者医療制度 |
|
---|---|---|---|---|---|
主な加入者 | 自営業者、年金生活者やその家族 | 中小企業のサラリーマンやその家族 | 大企業のサラリーマンやその家族 | 公務員やその家族 | 75歳以上の方 |
保険者数 (令和2年3月末) |
1,716 | 1 | 1,388 | 85 | 47 |
加入者数 (令和2年3月末) |
2,660万人 | 4,044万人 | 2,884万人 | 854万人 | 1,803万人 |
加入者平均年齢 (令和元年度) |
53.6歳 | 38.1歳 | 35.2歳 | 32.9歳 | 82.5歳 |
65~74歳の割合 (令和元年度) |
43.6% | 7.7% | 3.4% | 1.4% | 1.7% |
加入者一人当たり医療費 (令和元年度) |
37.9万円 | 18.6万円 | 16.4万円 | 16.3万円 | 95.4万円 |
加入者一人当たり平均所得 (令和元年度) |
86万円 | 159万円 | 227万円 | 248万円 | 86万円 |
公費負担 | 給付費等の50% +保険料軽減等 |
給付費等の16.4% | 後期高齢者支援金等の負担が重い保険者等への補助 | なし | 給付費等の約50%+保険料軽減等 |
公費負担額 (令和4年度予算ベース) |
4兆3,034億円 | 1兆2,360億円 |
725億円 | なし | 8兆5,885億円 |
※我が国の医療保険について(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken01/index.html(外部サイト))を加工して作成。
前期高齢者に係る加入保険別被保険者数(全国)
65歳以上75歳未満の方の健康保険の加入状況は以下のとおりです。
協会けんぽや健保組合、共済組合は、企業等の従業員(公務員)の方やその家族が加入しているため、加入者の平均年齢は若いですが、国民健康保険は自営業の方やその家族の他、企業等を退職(定年退職)した方などが加入しているため、平均年齢が高くなっています。
※我が国の医療保険について(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken01/index.html(外部サイト))を加工して作成。
企業等の従業員の方やその家族が加入する健保組合等については若い方の加入が多く、加入者一人当たりの医療費が低く一人当たり平均所得は高い傾向にありますが、国民健康保険については他の健康保険と比較し高齢の方の加入が多く、会社を退職された方の加入が多いため、加入者一人当たりの医療費が高く一人当たり平均所得が低いといった、構造的な課題があります。
前期高齢者に係る財政調整のしくみ
前期高齢者に係る医療費負担の不均衡を是正する財政調整のしくみは以下のとおりです。
※端数処理により合計が合わない場合があります。
※令和4年度の区の予算案ベース
※我が国の医療保険について(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken01/index.html(外部サイト))を加工して作成。
財政調整前は、前期高齢者を多く抱える国民健康保険の負担が5.1兆円でしたが、財政調整の結果、他の保険者からの納付金により2.1兆円の負担となり、3兆円の減額になりました。
他の健康保険の財政の例
前期高齢者に係る医療費負担の不均衡を是正するため、健保組合等の保険者は、以下のように費用を拠出しています。
(例:健保組合全体)
※令和2年度決算ベース
※医療保険に関する基礎資料 令和2年度年次報告(令和5年1月)(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/iryouhoken/database/zenpan/kiso.html(外部サイト))を加工して作成。
国民健康保険の財政は、加入者が支払う保険料のほか、他の健康保険に加入している方々の保険料により支えられています。
補足2 保険料率算定における保険料未収分の扱い
本来、特別会計内で収支を完結させるため、不足する保険料収入を予測し料率を算定します。したがって、保険料の収納率が低い場合、低い収納率のままでもその不足分を補えるよう保険料率を高くしなければなりません。国民健康保険加入者全体の負担となり、加入者間の公平性を欠きます。
また、不足する保険料収入を一般会計から補填することは、税金から補填することとなり、国民健康保険加入者、その他の健康保険加入者を問わず、納税者から間接的に国民健康保険運営費用の一部を負担していただくことになります。
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お問い合わせ
国民健康保険課庶務係
電話:03-5246-1251
ファクス:03-5246-1229